40代になってから資格を取る意味はあるのだろうか。
最近、自分自身が資格の勉強をする中で、そんなことを考えるようになりました。
20代なら、将来何に役立つか分からなくても、とりあえず勉強してみるという選択もありだと思います。
でも40代になると、少し事情が違います。
仕事があり、家庭があり、子どももいる。
使える時間には限りがあります。
僕自身、仕事以外にも家事や育児がありますし、ブログも続けています。本も読みたいし、仕事に必要な勉強もしたい。
「あれもこれも勉強する」というわけにはいきません。
そんな中で、今は証券アナリストの資格取得に向けて勉強しています。
なぜ40代になって、かなりの時間を使って資格を取ろうとしているのか。
考えてみると、僕の場合は「資格が欲しいから」というところから始まったわけではありませんでした。
40代では「何の資格を取るか」より「何のために取るか」
40代の資格について調べると、
「40代におすすめの資格」
「転職に有利な資格」
「将来性のある資格」
といった情報をよく見かけます。
もちろん、そうした情報も参考になります。
ただ、自分自身が資格の勉強を始めてみて感じているのは、40代では「どの資格が有利か」だけで選ぶのは少し違うのではないか、ということです。
なぜなら、40代にはすでにそれまで積み上げてきた仕事の経験があるからです。
僕の場合、それはコーポレートガバナンスです。
取締役会の運営やグループガバナンスなどに関わり、今後はさらにコーポレートガバナンスの設計そのものを担えるようになりたいと考えています。
そう考えると、まったく新しい分野の資格をゼロから集めるより、
「今持っている専門性に何を掛け合わせれば、できる仕事が広がるのか」
を考えた方がいい。
僕にとって、その一つが財務・資本市場の知識でした。
機関投資家との面談で感じたこと
証券アナリストを勉強しようと思った背景には、実際の仕事で感じたことがあります。
僕はコーポレートガバナンスに関するSR活動で、機関投資家との面談に関わることがあります。
ガバナンスについて対話することが中心ですが、機関投資家との話がガバナンスだけで完結するとは限りません。
当然、企業価値や業績についての話に触れる可能性もあります。
そのため、現在は必要に応じてIRにも同席してもらっています。
これは組織として当然の対応だと思います。
一方で、こうした面談を経験する中で、
「会社として、もっと一気通貫で機関投資家と会話できた方がいいのではないか」
と感じるようになりました。
ガバナンスはガバナンス。
業績や財務はIR。
と完全に分けるのではなく、
「このガバナンスの仕組みが、どう企業価値につながるのか」
まで含めて会話できる。
自分自身も、そういう人材になれたらいいと思うようになりました。
コーポレートガバナンスと企業価値をつなげたい
これは、自分が今後やりたい仕事ともつながっています。
僕は5年後くらいには、コーポレートガバナンスの設計を担える人材になりたいと考えています。
単に取締役会を滞りなく運営するだけではありません。
経営陣と社外取締役をつなぐ。
社外取締役の知見を引き出す。
指名や報酬を含めた仕組みを考える。
そして、取締役会での議論を企業価値の向上につなげる。
そのためには、ガバナンスの知識だけでは足りないのではないかと思っています。
企業価値とは何なのか。
会社はどのように評価されるのか。
資本コストとは何なのか。
投資家は何を見ているのか。
こうしたことを理解したうえで、コーポレートガバナンスを考えたい。
そのための体系的な勉強方法の一つとして、証券アナリストを選びました。
実際に勉強して、資本コスト経営への理解が深まった
まだ勉強の途中ですが、すでに仕事とのつながりを感じる部分もあります。
その一つが「資本コスト」です。
コーポレートガバナンス・コードでも、資本コストを意識した経営は重要なテーマになっています。
もちろん、これまでも仕事の中で言葉として触れることはありました。
ただ、証券分析やコーポレートファイナンスなどを勉強すると、
なぜ資本コストを意識する必要があるのか。
投資家は企業をどう評価するのか。
企業価値と資本コストがどうつながるのか。
といった背景まで理解しやすくなりました。
ガバナンスの仕事をしているからこそ、財務や資本市場を学ぶ意味がある。
勉強を始めて、その感覚は以前より強くなっています。
資格そのものにも意味はあると思っている
とはいえ、
「資格なんてどうでもよくて、勉強することだけに意味がある」
とも思っていません。
せっかく勉強するのであれば、証券アナリストの資格自体も取りたいと思っています。
資格を取得することで、一定の知識を体系的に学んだことを示せる。
自分にとっても、試験というゴールがあることで勉強を続けやすくなります。
ただ、
「証券アナリストを取ればキャリアが変わる」
とまでは考えていません。
資格は、それまでの仕事とは別に存在するものではなく、実務経験と組み合わせて初めて意味が出てくるものだと思っています。
僕の場合なら、
コーポレートガバナンス
×
海外を含むグループガバナンスの経験
×
マネジメント
×
財務・資本市場
という組み合わせを作っていきたい。
証券アナリストは、その中の一つです。
40代では「何を勉強しないか」も決める
もう一つ、40代になって重要だと感じているのが、
「何を勉強しないか」
を決めることです。
勉強した方がいいことはいくらでもあります。
英語もそうです。
僕自身、海外との仕事もあるので、英語をさらに勉強する意味は十分にあります。
AIについても学びたい。
マネジメントについても学びたい。
コーポレートガバナンスの専門性もさらに深めたい。
全部必要だと言えば、全部必要です。
でも、仕事と家庭がある中で、すべてを同時にやることはできません。
だから今は、英語の勉強については少し優先順位を下げています。
英語が重要ではないからではありません。
今の自分にとっては、
「財務・資本市場への理解を広げる」
ことの方が、5年後にやりたい仕事につながると考えているからです。
40代の勉強では、
「何をやるか」
と同じくらい、
「今は何をやらないか」
を決めることが必要なのかもしれません。
40代で資格を選ぶなら、5年後から逆算してみる
では、40代から資格を取る意味はあるのでしょうか。
今の僕の答えは、
「資格を取ること自体を目的にするなら、慎重に考えた方がいい。でも、5年後にやりたい仕事から逆算して選ぶのであれば、十分意味がある」
です。
僕自身は、次の順番で考えています。
5年後、どんな仕事をしていたいか。
↓
その仕事をするために、今の自分に足りないものは何か。
↓
その知識や能力を身につける手段として、資格の勉強は有効か。
僕の場合、
「コーポレートガバナンスの設計を担いたい」
というところから逆算すると、
「企業価値・財務・資本市場への理解を広げたい」
となり、
その一つの手段として証券アナリストの勉強にたどり着きました。
だから、他の人に証券アナリストを勧めたいわけではありません。
人によって、5年後にやりたい仕事は違うからです。
営業を極めたい人。
マネジメントに進みたい人。
専門職として深めたい人。
海外で働きたい人。
それぞれ必要なものは違います。
資格は「これまで」を捨てるためではなく、「これから」を広げるために使う
20代なら、まったく違う分野へ飛び込むために資格を取るという選択もあると思います。
40代でも、もちろんそれはできます。
ただ、僕自身は今のところ、
「これまで積み上げてきたものを捨てて、資格で別の人になる」
ことを目指してはいません。
これまで積み上げてきたコーポレートガバナンスの専門性を軸にする。
その隣に、今後必要になる知識を足していく。
そうすることで、できる仕事を少しずつ広げていく。
以前、40代でこれから何を伸ばすかを考えたとき、
「深める」
「求められる」
「広げる」
という3つに整理しました。
今回の証券アナリストの勉強は、その中でいう「広げる」にあたります。
40代から資格を取る意味があるかどうかは、年齢だけでは決まらないと思います。
「その資格を取ったら何ができるのか」
ではなく、
「自分は5年後に何をしたくて、そのためにこの資格をどう使うのか」
そこまで説明できる資格なら、40代から時間を使って勉強する価値はある。
今の僕は、そう考えています。




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